時間ぴったり、ずれて±1分の到着を目指す私は、今日も走りました。走るためにヒールを履かないようなもの、目立たない為に黒ばかり着てしまう、根っからの黒子体質なのです。
最近電車のダイヤの乱れに遭遇する事が多いです。一生懸命走って、普段は歩く一駅分を電車を乗り換えて初乗りを二度払いしてまでなんとか間に合う時間滑り込んだ、と思ったのに。
思いっきり滑って、転びました。
息が詰まるくらい両膝を強打。
宙を舞うgigabeat。初期不良の治療から帰ってきたばかりだというのに、あっという間に鞄から飛び出す始末。
茫然自失で、中空をひよこがピヨピヨ鳴くこと約3分。
背中におばさんの噴出す声。
計4分の遅刻となりました。ああ、最低。
おまけに返したはずの本の督促の電話がかかってくること数回。対して謝罪は一回。
ゼミ発表では、あまりの噛み具合で話が長引き、制限時間オーバ。
一日に何度も頭が真っ白になるという自分の将来に不安が残ります。
青あざを隠すために、しばらくスカートは控えましょう。
この暑いのに…あぁ、なんてこと…
最近電車のダイヤの乱れに遭遇する事が多いです。一生懸命走って、普段は歩く一駅分を電車を乗り換えて初乗りを二度払いしてまでなんとか間に合う時間滑り込んだ、と思ったのに。
思いっきり滑って、転びました。
息が詰まるくらい両膝を強打。
宙を舞うgigabeat。初期不良の治療から帰ってきたばかりだというのに、あっという間に鞄から飛び出す始末。
茫然自失で、中空をひよこがピヨピヨ鳴くこと約3分。
背中におばさんの噴出す声。
計4分の遅刻となりました。ああ、最低。
おまけに返したはずの本の督促の電話がかかってくること数回。対して謝罪は一回。
ゼミ発表では、あまりの噛み具合で話が長引き、制限時間オーバ。
一日に何度も頭が真っ白になるという自分の将来に不安が残ります。
青あざを隠すために、しばらくスカートは控えましょう。
この暑いのに…あぁ、なんてこと…
集中力が良い配分で続くときは気持ちが良いです。
そのことを意識的に思い出してみるけど、六月病のためうまくいきません。
休日も学校でなんとか発表の準備をしてみるも、遅々として進まず。長い間ディスプレイをぼーっと眺めすぎてドライアイ。
ちょうどその場に居た先輩に、「朝から晩までずっと向き合ってて偉いね。」と言われました。
それは大きな間違いです。だって、今日のうち半分くらいはとりとめの無くまともな議論にならないような妄想で、しかも脳みその電子信号が送られる速度がかなり減速しています。諦めてのろのろの亀ペースで遅れに遅れてずるずるべとべとこんな時間。
あと、レジュメを作らねば。
最近は早寝早起き睡眠は5時間以上をずっと守ってきたのに、体内時計がまた狂って仕舞います。夜食には手を出していないけれど。
髪を切ってさっぱりして、酔っ払って迷惑をかけたかもしれない(記憶が曖昧)人にもう一度会いに行こう、終わったら。
酔ってもそんなに変わらないらしいのだけれど、話の脈絡が無くなるのとお金の計算が上手に出来なくなるのは自覚しています。払った記憶はあるけれどお財布見たらあんまり減ってなくて、シマッタと思ったのでした。気遣い出来ないと思われるのは嫌〜。
そのことを意識的に思い出してみるけど、六月病のためうまくいきません。
休日も学校でなんとか発表の準備をしてみるも、遅々として進まず。長い間ディスプレイをぼーっと眺めすぎてドライアイ。
ちょうどその場に居た先輩に、「朝から晩までずっと向き合ってて偉いね。」と言われました。
それは大きな間違いです。だって、今日のうち半分くらいはとりとめの無くまともな議論にならないような妄想で、しかも脳みその電子信号が送られる速度がかなり減速しています。諦めてのろのろの亀ペースで遅れに遅れてずるずるべとべとこんな時間。
あと、レジュメを作らねば。
最近は早寝早起き睡眠は5時間以上をずっと守ってきたのに、体内時計がまた狂って仕舞います。夜食には手を出していないけれど。
髪を切ってさっぱりして、酔っ払って迷惑をかけたかもしれない(記憶が曖昧)人にもう一度会いに行こう、終わったら。
酔ってもそんなに変わらないらしいのだけれど、話の脈絡が無くなるのとお金の計算が上手に出来なくなるのは自覚しています。払った記憶はあるけれどお財布見たらあんまり減ってなくて、シマッタと思ったのでした。気遣い出来ないと思われるのは嫌〜。
誰も知る人の居ない世界でぽつねんと立ち竦んでいても、構わないじゃないか。何にも縛られる必要は無いのに、体温を一定に保ち続ける自信がもてない。
予想外の体の冷えと、心の熱の温度差に驚いている。
いつもと違う回路を巡って、何かが変わろうとしている。
普通は逆じゃないのかな。
顔も、お金も、仕事も、体型も、思考回路も、感覚も、
何も見なくても。
聞こえてくる音だけで胸の打ち抜かれる事がある。
商用フォントの羅列から紡がれたことばのリズムだけで頭がくらくらする事がある。
初めてまとまった時間を使って、お互いの言葉で道のりを埋めたのに、感覚の余韻しか残らないような人との出会いは初めての経験だった。
ワインは二人で二本。
普段なら記憶を無くす程飲んではいないはず。
相手に失礼な事をしていないか不安になって、翌日沢山謝った。
インパクトの余波だけで人を見て、相手の実態を観察せずにその日を終わらせてしまった。最近人との関わりを避けがちだから、良く目が見えなくなっているのかもしれない。ゆっくり喋りたいと思っていた人だけれど、踏み込む前に終わらせてしまったかもしれない。友人関係は意外に難しい。
予想外の体の冷えと、心の熱の温度差に驚いている。
いつもと違う回路を巡って、何かが変わろうとしている。
普通は逆じゃないのかな。
顔も、お金も、仕事も、体型も、思考回路も、感覚も、
何も見なくても。
聞こえてくる音だけで胸の打ち抜かれる事がある。
商用フォントの羅列から紡がれたことばのリズムだけで頭がくらくらする事がある。
初めてまとまった時間を使って、お互いの言葉で道のりを埋めたのに、感覚の余韻しか残らないような人との出会いは初めての経験だった。
ワインは二人で二本。
普段なら記憶を無くす程飲んではいないはず。
相手に失礼な事をしていないか不安になって、翌日沢山謝った。
インパクトの余波だけで人を見て、相手の実態を観察せずにその日を終わらせてしまった。最近人との関わりを避けがちだから、良く目が見えなくなっているのかもしれない。ゆっくり喋りたいと思っていた人だけれど、踏み込む前に終わらせてしまったかもしれない。友人関係は意外に難しい。
毎年、鬱になる時期は決まっています。六月は鬱になるというか、気が抜けます。毎年この時期にサボるが故に年末が苦しい羽目になっているのも自覚しています。
今月を如何に充実させるかにかかっている気がします。
今年中にやらねばならないこと、何一つ終わっていません。
一つずつ片付けないでどうする気なんでしょう。
本当は泣きたい気分で一杯です。
泣きつく相手が居ないから弱くなったのか、とは思いませんが、無く回数が確実に減りました。
小さい頃から本当に小さなことで、莫迦としか言いようが無いど泣くことで発散させてきた気がします。小学校の卒業アルバムの泣き虫ランキングに堂々と載っていた位です。泣けば許されると思っているわけではなくて、泣くと泣いた後に強くなるんです。泣かないで我慢すると体に良くない、心にも良くない、卑屈になりがちになるんだから、泣きたいときは泣けばいいって言われたことがあるからでしょうか。鵜呑みにしてます。そして大人になっても泣き癖が治りません。涙を止める方法が知りたい、といつも思います。このタイミングで泣くと周りが困るから、と思うのにとめられないときが一番困ります。
泣いてない分、卑屈になっているのかもしれません。
何をしてもあまり面白くない気がします。
六月は元気もありません。雨が嫌いな訳ではないんですけど。停滞的な雰囲気が頭痛を悪化させる気がするからかもしれません。
今月を如何に充実させるかにかかっている気がします。
今年中にやらねばならないこと、何一つ終わっていません。
一つずつ片付けないでどうする気なんでしょう。
本当は泣きたい気分で一杯です。
泣きつく相手が居ないから弱くなったのか、とは思いませんが、無く回数が確実に減りました。
小さい頃から本当に小さなことで、莫迦としか言いようが無いど泣くことで発散させてきた気がします。小学校の卒業アルバムの泣き虫ランキングに堂々と載っていた位です。泣けば許されると思っているわけではなくて、泣くと泣いた後に強くなるんです。泣かないで我慢すると体に良くない、心にも良くない、卑屈になりがちになるんだから、泣きたいときは泣けばいいって言われたことがあるからでしょうか。鵜呑みにしてます。そして大人になっても泣き癖が治りません。涙を止める方法が知りたい、といつも思います。このタイミングで泣くと周りが困るから、と思うのにとめられないときが一番困ります。
泣いてない分、卑屈になっているのかもしれません。
何をしてもあまり面白くない気がします。
六月は元気もありません。雨が嫌いな訳ではないんですけど。停滞的な雰囲気が頭痛を悪化させる気がするからかもしれません。
彼の点と私の点。
結局距離は変わっていない。
居場所の物理的な距離は少し開いた。
笑っているような、泣いているような、曖昧なお面をつけて会いに行った。
これ以上一緒に居ると迷惑がかかるからもっと離れようと言われた。
緑の生き生きと広がる公園を歩いていたから、不幸を語るにはあまりにも不釣合いな話で、少し笑った。子供の嬉しい悲鳴が空に吸い込まれていく。
「ちゃんちゃらおかしいね」
という普段使わない言葉を使って答えた。
会わない時間と会えるまでの距離が変わっても、別に私のあなたに対する感情のあり方は変わらない。あなたがあなたである限りは。
考え方も心のあり方も、根本のところでは何も変わっていないのが良くわかった。
心の根から腐ってしまったら、あなたを見続ける気はないのだけれど。
一生懸命自分同士がせめぎあって、足りない考えを補おうとしているから、そんなに思いつめなくても大丈夫だよ、と心の中で思った。
私と彼の間には無限の数が詰まっているけれど、絶対的な距離は変わらない。
数直線に潜む無限の話をしたら、「初めて知ったときは感じるものがあった気もしたけど今更そんなこと特別に思い出したりしなかった」と言っていた。
彼は私の何倍も数学が出来るけど、感慨にふけることは無いようだ。
結局距離は変わっていない。
居場所の物理的な距離は少し開いた。
笑っているような、泣いているような、曖昧なお面をつけて会いに行った。
これ以上一緒に居ると迷惑がかかるからもっと離れようと言われた。
緑の生き生きと広がる公園を歩いていたから、不幸を語るにはあまりにも不釣合いな話で、少し笑った。子供の嬉しい悲鳴が空に吸い込まれていく。
「ちゃんちゃらおかしいね」
という普段使わない言葉を使って答えた。
会わない時間と会えるまでの距離が変わっても、別に私のあなたに対する感情のあり方は変わらない。あなたがあなたである限りは。
考え方も心のあり方も、根本のところでは何も変わっていないのが良くわかった。
心の根から腐ってしまったら、あなたを見続ける気はないのだけれど。
一生懸命自分同士がせめぎあって、足りない考えを補おうとしているから、そんなに思いつめなくても大丈夫だよ、と心の中で思った。
私と彼の間には無限の数が詰まっているけれど、絶対的な距離は変わらない。
数直線に潜む無限の話をしたら、「初めて知ったときは感じるものがあった気もしたけど今更そんなこと特別に思い出したりしなかった」と言っていた。
彼は私の何倍も数学が出来るけど、感慨にふけることは無いようだ。
電車の窓から、空を見上げた。
車内の熱気でどんどん曇るガラスを拭きながら、流れていく空を見つめた。
稲妻が空を渡ると、びりびりと振動が伝わる。
四方八方、闇雲にその音を轟かす。
ゆく河の流れのように、見つめている空はもとの空ではないけれど、電車に揺られて進む私の頭上をいとも簡単に走り抜けて、雷神さまは大いに笑う。
彼が帰ってくるという知らせをもらった。
どんな顔をして会うか、まだ決めていない。
会うかどうかも、決めていない。
車内の熱気でどんどん曇るガラスを拭きながら、流れていく空を見つめた。
稲妻が空を渡ると、びりびりと振動が伝わる。
四方八方、闇雲にその音を轟かす。
ゆく河の流れのように、見つめている空はもとの空ではないけれど、電車に揺られて進む私の頭上をいとも簡単に走り抜けて、雷神さまは大いに笑う。
彼が帰ってくるという知らせをもらった。
どんな顔をして会うか、まだ決めていない。
会うかどうかも、決めていない。
半身浴から勢い良く立ち上がった途端、ごきっと…。
あいたた、で済まない痛み。床にあるものが拾えない。
小型犬を持ち上げるのもしんどい有様。
寝る前に暗闇の中、念入りにヨガの真似事をしてみるも痛みは変わらず。
今朝、学校の近くにあったはずの整骨院(どういうところに受診すればいいか判らなかった)にとりあえず行ってみようと、保険証を握り締め、早起きした。着いてみると、見事に潰れていた。
仕方ないのでとりあえず、学校へ。
痛くて段々むかむかしてきて、結局早退した。書庫を行き来して大型本を持ち運んだりするのが難しかったので勉強が進まない。
帰りに薬局に寄った。
とにかく、湿布かな?と思い、温感のタイプを購入。何故か判らないが冷感のものより値が張った。
現在、腰もとが温かいというより、どういうわけか、からい。
どうやって温感というものを作り出すのか知らなかったから、箱の裏を見て思わず吹き出した。
トウガラシを使っているのか。
どおりで刺激的だ。
刺激は感じるが、効いているのかは良くわからない。決して優しい温かみを感じるものではない。
あいたた、で済まない痛み。床にあるものが拾えない。
小型犬を持ち上げるのもしんどい有様。
寝る前に暗闇の中、念入りにヨガの真似事をしてみるも痛みは変わらず。
今朝、学校の近くにあったはずの整骨院(どういうところに受診すればいいか判らなかった)にとりあえず行ってみようと、保険証を握り締め、早起きした。着いてみると、見事に潰れていた。
仕方ないのでとりあえず、学校へ。
痛くて段々むかむかしてきて、結局早退した。書庫を行き来して大型本を持ち運んだりするのが難しかったので勉強が進まない。
帰りに薬局に寄った。
とにかく、湿布かな?と思い、温感のタイプを購入。何故か判らないが冷感のものより値が張った。
現在、腰もとが温かいというより、どういうわけか、からい。
どうやって温感というものを作り出すのか知らなかったから、箱の裏を見て思わず吹き出した。
トウガラシを使っているのか。
どおりで刺激的だ。
刺激は感じるが、効いているのかは良くわからない。決して優しい温かみを感じるものではない。
例えば心を強くするなら、自分と似た境遇、自分と似た思想、自分と似た志を共有できる人たちと朝まで語り明かして、自分は一人じゃないと思い込むことは、短期的に有効かもしれない。
いくら言葉を重ねても、時間を共有しても、人は必ず孤独であることを認めることは弱さを認めることと同じだろうか。
誰かに傍にいてほしいと思うことは、夢の語り場を求めているに過ぎないのかもしれない。
共に在ることが叶わない今、簡単な欲望の形すらはっきりと見えなくなってしまった。誰かと一緒に居たいと願うことが、浅ましいことのようにも思える。つまりはきっと、それが相手を大事にすることよりも自分の為に居てほしいと望む気持ちのほうが強く感じられるからなのだろう。相手が見えなければ尚更で、寂しさは自分の内側でしか生まれないものだと思う。
皮膚が他人を求めるよりももっと根深く、胃が他人を欲しているのである。誰かが傍にいることで、自分が何かを得るために。
いくら言葉を重ねても、時間を共有しても、人は必ず孤独であることを認めることは弱さを認めることと同じだろうか。
誰かに傍にいてほしいと思うことは、夢の語り場を求めているに過ぎないのかもしれない。
共に在ることが叶わない今、簡単な欲望の形すらはっきりと見えなくなってしまった。誰かと一緒に居たいと願うことが、浅ましいことのようにも思える。つまりはきっと、それが相手を大事にすることよりも自分の為に居てほしいと望む気持ちのほうが強く感じられるからなのだろう。相手が見えなければ尚更で、寂しさは自分の内側でしか生まれないものだと思う。
皮膚が他人を求めるよりももっと根深く、胃が他人を欲しているのである。誰かが傍にいることで、自分が何かを得るために。
正しいのか、間違っているのか、答えは無いのか。
頭の中をぐるぐるする押し問答。
やりたいこととやるべきことが重なった瞬間に、人はあくまで自然に大きな力が出るのだろう。
意地だけで前へ進もうとすることは体に大きな負担をかけることになったと思う。
私にとって、論文を書くことは自分を育てる貴重な機会だと受け止めている。しかし、それは自分のキャリアを形成するために書くのではなく、あくまで訓練の一種なのだ。
一貫性の無い、あいまいな人生だと思う。
主体性のかけらも無い、ご都合主義の生き方だと思う。
お前はあやふやでぬかに釘を打つのが得意だとのたまう様な、愚かで使えない人間だと見抜かれてしまうと、何も返せなくなる。
私には何が残るのか、無能のレッテルを貼られるだけなのではないか。
どうしても前が見えなくなりがちになる。
それは理想主義の夢語りに見えるかもしれないけれど、自然体で力を最大限に発揮出来る場所、という幻想をきちんと探すほうが正しいのかもしれない。
頭の中をぐるぐるする押し問答。
やりたいこととやるべきことが重なった瞬間に、人はあくまで自然に大きな力が出るのだろう。
意地だけで前へ進もうとすることは体に大きな負担をかけることになったと思う。
私にとって、論文を書くことは自分を育てる貴重な機会だと受け止めている。しかし、それは自分のキャリアを形成するために書くのではなく、あくまで訓練の一種なのだ。
一貫性の無い、あいまいな人生だと思う。
主体性のかけらも無い、ご都合主義の生き方だと思う。
お前はあやふやでぬかに釘を打つのが得意だとのたまう様な、愚かで使えない人間だと見抜かれてしまうと、何も返せなくなる。
私には何が残るのか、無能のレッテルを貼られるだけなのではないか。
どうしても前が見えなくなりがちになる。
それは理想主義の夢語りに見えるかもしれないけれど、自然体で力を最大限に発揮出来る場所、という幻想をきちんと探すほうが正しいのかもしれない。
ある人を殴りつける夢を見た。
顔を見つめていたら、そういう情景が目の前にじわりと広がった。
人を殴ることは、この先無いと思う。
殴られることはあっても、殴ることは無いと思う。
でも私には、確かにその人を殴りたいという欲望があった。
私は何もされていない。
ただ私の大事な人が悲しい気持ちになるのは、その人の行動が悪いからというだけだ。
人は差別をする。
人は暴力を振るう。
だからいけないということを学ぶ必要がある。
顔を見つめていたら、そういう情景が目の前にじわりと広がった。
人を殴ることは、この先無いと思う。
殴られることはあっても、殴ることは無いと思う。
でも私には、確かにその人を殴りたいという欲望があった。
私は何もされていない。
ただ私の大事な人が悲しい気持ちになるのは、その人の行動が悪いからというだけだ。
人は差別をする。
人は暴力を振るう。
だからいけないということを学ぶ必要がある。
彼に会った。
久しぶりに、連絡を受けとった。
正直なところ、生きているのかさえ知りたくない気分だった。元気なのか確認するのも、確認が取れないのも嫌だった。
私が出来ることは無い。見守ることさえ出来ない。徐々に離れていくのを止めることは出来なかったのだし。
緩やかに時は流れる。
少なくとも彼の上では、そうなんだと思った。
忘れないで居てくれたことが嬉しかった。まあ忘れるほうが難しいこともあるんだ、と言っていた。彼と私は、何者なのかという問いを濁したまま5年の月日が経った。そんなつもりで、会わないだとか話があるとかそういうわけではないと言う。そんなつもり、って何だろう。私には関係ないことだった。私は特に何のつもりも無い。
真夜中に食事に行く。
そんな時間に大しておいしいものが食べられると言うわけではなかったが、一緒に食べられると言う幸福感がかつてはちゃんとあったことを思い出した。というのも、私は家で家族と食卓を囲むということはしないからだ。最近は、ごく稀に友人と機会が持てたときだけで、飲み会のような席は遠慮していたし、正面に一番見慣れた顔があると言うと言うことが不思議でさえあった。
ぽつぽつと言葉を交わして、一時間くらいで別れた。
あまり長い時間顔を合わせて居られるようではなかった。何だか気恥ずかしいし、言葉が思いつかないと言っていた。
私はなんとなく、隣の席のおじいさんをずっと見ていた。コーヒーとマフィンが二つ。薄暗い照明の下で難しい本を読んでいた。漢文調の和文の様な、古い言葉。日本人が漢文のつもりで書いたようなもの。私はそのおじいさんに向き合って座っているような気持ちで、彼の前に居た。つまり、息苦しくも無ければ、興奮も無い、穏やかで揺らぎの目立たない気持ちになった。
彼は自分には意気地が無いと言い、私はそうだねと言って笑った。
私のほうはと言えば、自分の勉強のことや学校のこと、沖縄に行きたいといった誰にでも話すことを適当に言いたいだけ話した。
私は少しだけ眠って、朝一のゼミに出た。
胃がもたれても不快な気分にはならなかった。
久しぶりに、連絡を受けとった。
正直なところ、生きているのかさえ知りたくない気分だった。元気なのか確認するのも、確認が取れないのも嫌だった。
私が出来ることは無い。見守ることさえ出来ない。徐々に離れていくのを止めることは出来なかったのだし。
緩やかに時は流れる。
少なくとも彼の上では、そうなんだと思った。
忘れないで居てくれたことが嬉しかった。まあ忘れるほうが難しいこともあるんだ、と言っていた。彼と私は、何者なのかという問いを濁したまま5年の月日が経った。そんなつもりで、会わないだとか話があるとかそういうわけではないと言う。そんなつもり、って何だろう。私には関係ないことだった。私は特に何のつもりも無い。
真夜中に食事に行く。
そんな時間に大しておいしいものが食べられると言うわけではなかったが、一緒に食べられると言う幸福感がかつてはちゃんとあったことを思い出した。というのも、私は家で家族と食卓を囲むということはしないからだ。最近は、ごく稀に友人と機会が持てたときだけで、飲み会のような席は遠慮していたし、正面に一番見慣れた顔があると言うと言うことが不思議でさえあった。
ぽつぽつと言葉を交わして、一時間くらいで別れた。
あまり長い時間顔を合わせて居られるようではなかった。何だか気恥ずかしいし、言葉が思いつかないと言っていた。
私はなんとなく、隣の席のおじいさんをずっと見ていた。コーヒーとマフィンが二つ。薄暗い照明の下で難しい本を読んでいた。漢文調の和文の様な、古い言葉。日本人が漢文のつもりで書いたようなもの。私はそのおじいさんに向き合って座っているような気持ちで、彼の前に居た。つまり、息苦しくも無ければ、興奮も無い、穏やかで揺らぎの目立たない気持ちになった。
彼は自分には意気地が無いと言い、私はそうだねと言って笑った。
私のほうはと言えば、自分の勉強のことや学校のこと、沖縄に行きたいといった誰にでも話すことを適当に言いたいだけ話した。
私は少しだけ眠って、朝一のゼミに出た。
胃がもたれても不快な気分にはならなかった。
棄ててしまってから後悔したもの、多数。
眠れなくて、やっとうとうと眠れて、眠りが浅いと夢を見る。
「あ、しまった」と夢の中で呟くとのどが痛い。
痛みのせいで目が覚める。
痛いのは夢。
でも、「しまった」と思う行動は現実。あれを棄ててはまずかったのだ、と思い出してしまうのだ。
掃除をするのはいつも気がふさぎこんでいるとき。
だから、だんだん自暴自棄になって、いいやスッキリしてしまおうといらないものをどんどん排除する。
すると、すぐに判断しかねるものまでゴミ袋へ気軽にポイと入れてしまうのだ。
夜中に目が覚めるとろくなことが無い。今日棄ててしまったものは書類だった。お気に入りの洋服より10倍性質が悪い。もう遅い。
私は片づけ、整理整頓が苦手だ。
見た目片付いているようなふりだけで、中身は交通渋滞のようなもの。
案の定、私の母親も同じような片付け方なのだ。これは教育の賜物なのかもしれない。
片づけが上手な人にきちんと教えてもらう必要がある。他人の家の中をあまりじろじろと見るのも気が引けるし、見本が見当たらない。
どれだけドンくさいのか、と呆れるところだが、そういう家庭教師はいないのだろうか。マンツーマンの片付け方法伝授は個人情報の宝庫だから、そういう仕事をしていると家財泥棒にもアドバイスできそうな気がする。
眠れなくて、やっとうとうと眠れて、眠りが浅いと夢を見る。
「あ、しまった」と夢の中で呟くとのどが痛い。
痛みのせいで目が覚める。
痛いのは夢。
でも、「しまった」と思う行動は現実。あれを棄ててはまずかったのだ、と思い出してしまうのだ。
掃除をするのはいつも気がふさぎこんでいるとき。
だから、だんだん自暴自棄になって、いいやスッキリしてしまおうといらないものをどんどん排除する。
すると、すぐに判断しかねるものまでゴミ袋へ気軽にポイと入れてしまうのだ。
夜中に目が覚めるとろくなことが無い。今日棄ててしまったものは書類だった。お気に入りの洋服より10倍性質が悪い。もう遅い。
私は片づけ、整理整頓が苦手だ。
見た目片付いているようなふりだけで、中身は交通渋滞のようなもの。
案の定、私の母親も同じような片付け方なのだ。これは教育の賜物なのかもしれない。
片づけが上手な人にきちんと教えてもらう必要がある。他人の家の中をあまりじろじろと見るのも気が引けるし、見本が見当たらない。
どれだけドンくさいのか、と呆れるところだが、そういう家庭教師はいないのだろうか。マンツーマンの片付け方法伝授は個人情報の宝庫だから、そういう仕事をしていると家財泥棒にもアドバイスできそうな気がする。
研究上の調査の関係で外国に行ってきました。
しばらく留守にしていた間に、犬がきかんぼうになっていました。きっとボス(多分私がボス)が居ない間に沢山甘やかされたのでしょう。
寒空の下を一緒に散歩しました。桜はぼそぼそと散ってしまって、夜の闇にぼんやりと白く解けていました。とてもきれいだとは思えず、花盛りの日本に居れなかったことは初めてなのに、不思議と苦しくありませんでした。
今年の春はなんだかおかしい。
背中に氷が伝うような感覚が無い、ちっとも苦しくないのです。
会いたい人にも会えないままで居るっていうのに、一人でのうのうと暮らしていられます。この時期は決まって会いに良く人が居るのですが、今年は無理をしないことにしました。
花冷えの夜道に、満開の下の姫の笑顔に薄ら寒くなることも無く、まっすぐに歩くことが出来ます。
しばらく留守にしていた間に、犬がきかんぼうになっていました。きっとボス(多分私がボス)が居ない間に沢山甘やかされたのでしょう。
寒空の下を一緒に散歩しました。桜はぼそぼそと散ってしまって、夜の闇にぼんやりと白く解けていました。とてもきれいだとは思えず、花盛りの日本に居れなかったことは初めてなのに、不思議と苦しくありませんでした。
今年の春はなんだかおかしい。
背中に氷が伝うような感覚が無い、ちっとも苦しくないのです。
会いたい人にも会えないままで居るっていうのに、一人でのうのうと暮らしていられます。この時期は決まって会いに良く人が居るのですが、今年は無理をしないことにしました。
花冷えの夜道に、満開の下の姫の笑顔に薄ら寒くなることも無く、まっすぐに歩くことが出来ます。
今日、マンションのエレベータに一人で乗っているとき、後ろから声を掛けられた。中には私一人、鏡を見ていたので背後に誰も居ないことは確認できる。
「…異常ですか…」
とぼそぼそと言っている。ゴンドラ(?)はスムーズに下っている。何もない、異常って、私のことなのか? 私の心を見透かしたとか?
「…あのー…ですけれど…ですか?」
だれですか。なんですか。なにごとですか。
無視しようと思ったけれど、気がついた。エレベータの中って監視カメラが付いてるから、無視した嫌味な奴が私ってことがばれるじゃないか。
そこで、監視カメラに目線を合わせ、満面の笑みでいってみた。
「こちら、異常なしです。何かのミスだと思われます。」
すると、回線が急にクリアになって。
「そうですか、ご協力ありがとうございます!!!」
と、返答が来た。きっとインターフォン越しに相手も満面の笑みだっだであろう、と予想した。というか、だったら良いな、と思った。ちなみに、瞬時に顔の筋肉を真顔に戻したとき、我ながら結構な悪人風だな、と思っている。
どっちにしろ悪人っぽいのなら、どの点でそのように思われても問題は何もないのだけれど。
「…異常ですか…」
とぼそぼそと言っている。ゴンドラ(?)はスムーズに下っている。何もない、異常って、私のことなのか? 私の心を見透かしたとか?
「…あのー…ですけれど…ですか?」
だれですか。なんですか。なにごとですか。
無視しようと思ったけれど、気がついた。エレベータの中って監視カメラが付いてるから、無視した嫌味な奴が私ってことがばれるじゃないか。
そこで、監視カメラに目線を合わせ、満面の笑みでいってみた。
「こちら、異常なしです。何かのミスだと思われます。」
すると、回線が急にクリアになって。
「そうですか、ご協力ありがとうございます!!!」
と、返答が来た。きっとインターフォン越しに相手も満面の笑みだっだであろう、と予想した。というか、だったら良いな、と思った。ちなみに、瞬時に顔の筋肉を真顔に戻したとき、我ながら結構な悪人風だな、と思っている。
どっちにしろ悪人っぽいのなら、どの点でそのように思われても問題は何もないのだけれど。
Josh Groban ¥3,465
少ないお小遣い(笑)の中から、買いました。
どんどん性格が丸くなって、どんどん聴く音楽も丸くなっている気がします。持っているCDを一見すると脈絡が全く無い感じです。時系列順に並べると、納得される気がします。彼の場合、あんまりメッセージ性に惹かれて好きになったわけではなく、単純に声と音の連なりが心地よくて好きなのですが。
人の渦巻く小さなライブハウスの中で、首や足が痛くなるような事をしなくなって久しいです。つまり大人になったということではなくて、明日のことを考えなければいけなくなったからかも知れません。
人は変わるものですね。
本当に、何の音も無く、あっけらかんと。
少ないお小遣い(笑)の中から、買いました。
どんどん性格が丸くなって、どんどん聴く音楽も丸くなっている気がします。持っているCDを一見すると脈絡が全く無い感じです。時系列順に並べると、納得される気がします。彼の場合、あんまりメッセージ性に惹かれて好きになったわけではなく、単純に声と音の連なりが心地よくて好きなのですが。
人の渦巻く小さなライブハウスの中で、首や足が痛くなるような事をしなくなって久しいです。つまり大人になったということではなくて、明日のことを考えなければいけなくなったからかも知れません。
人は変わるものですね。
本当に、何の音も無く、あっけらかんと。
北風小僧
2007年2月28日どうしよう、と思っている間にここ数日の寒さで、体調が崩れてしまいました…。色んなプレッシャで、慢性的に少しずつ無理をしていたようです。それからスーツ姿で歩き回って、元々低体温な上に更に冷えたからだと思います。
病院へ行くのも、やっとこさでした。具合悪いときに自転車に乗ると危ないです。よろけるよろける。おばあさんの後ろ歩きのようです。大嫌いな診察台に横たわって、モニタを見ていると吐き気がしてきて、どうにもしんどい気持ちになりました。お医者さんは怖い顔をしたおじいさんで、いつもこの人の発音には温度が無く、冷たい気持ちになるので相変わらずいやでした。
倒れている間に世界は進んで、取り残されている気持ちになりました。もう追いつくことは出来ない、と思うと気楽な気持ちになりました。だって、どうにも間に合わないなら、自分のペースで進むしかないのだし。負け惜しみの開き直り、と揶揄されたところで痛くもかゆくも無いだろう、と思います。
病院へ行くのも、やっとこさでした。具合悪いときに自転車に乗ると危ないです。よろけるよろける。おばあさんの後ろ歩きのようです。大嫌いな診察台に横たわって、モニタを見ていると吐き気がしてきて、どうにもしんどい気持ちになりました。お医者さんは怖い顔をしたおじいさんで、いつもこの人の発音には温度が無く、冷たい気持ちになるので相変わらずいやでした。
倒れている間に世界は進んで、取り残されている気持ちになりました。もう追いつくことは出来ない、と思うと気楽な気持ちになりました。だって、どうにも間に合わないなら、自分のペースで進むしかないのだし。負け惜しみの開き直り、と揶揄されたところで痛くもかゆくも無いだろう、と思います。
今日は会社説明会に行きました。雨が降りしきる、朝一番でした。私はなんとなく物凄くラフな気持ちで、ひょっとしたら興味を持つかもしれない、という安易な気持ちで出かけたのです。
就職活動は堂々巡りのの自分探しになってはいけない、というのは確かにそうなのですが、正直言って自分が企業に必要とされるのか不安が先行してしまって、うまくいっていないと思います。という訳で、幅広く視野を広げてみようと思って、出かけたのです。
会場に入ってみると、私が一番乗り。開始5分前に部屋に入ったのに、です。その後、他に人が来ることはありませんでした。即ち、人事さんと一対一。大きなスクリーンでPPを操作しながら、何とか喋ってくださいました。まあ、当然ですが、スライドを飛ばしつつ色々省略なさっていました。私は、無意味に大きく頷きながら、必死に質問を考えていました。むしろ来ないほうがありがたかっただろうなと思いながら、なにか質問をしなくちゃ、と躍起になりました。会社のHPをざっと見ただけの、非常にお粗末な事前知識しかなく、本当に情けない気分になってしまいました。こんな非常事態は想像していなかったので、何にも準備をしていない面接気分です。
今思い返すと、そんなことも知らずに来たのかというような、駄目な質問、つまりそんなのXXナビ見りゃ書いてあるだろう、というような質問ばかりで、印象は最悪だったと思います。
来月には海外の調査を控えていて、100%就活に集中できません。大企業はどんどんエントリィを締め切っていく中で、自分はどう動いたらいいんだろう、と悩みます。全体の流れと、自分の流れが噛み合わないときに、最小公倍数をいかに導き出すか、が勝負なのだと思います。お祭り的な就活ムードが苦手です。それに、攻撃的な言葉にも弱いです。本当に難しいなあ、としみじみ思います。
「あなたには自分ってものがないんですか。生きてる意味無いんじゃないですか。」とか、初対面のハゲオヤジに何で言われなくちゃいけないんだろう、遠い目になってしまうのです。遠い目になると、当然落ちますね。少し笑えます。
就職活動は堂々巡りのの自分探しになってはいけない、というのは確かにそうなのですが、正直言って自分が企業に必要とされるのか不安が先行してしまって、うまくいっていないと思います。という訳で、幅広く視野を広げてみようと思って、出かけたのです。
会場に入ってみると、私が一番乗り。開始5分前に部屋に入ったのに、です。その後、他に人が来ることはありませんでした。即ち、人事さんと一対一。大きなスクリーンでPPを操作しながら、何とか喋ってくださいました。まあ、当然ですが、スライドを飛ばしつつ色々省略なさっていました。私は、無意味に大きく頷きながら、必死に質問を考えていました。むしろ来ないほうがありがたかっただろうなと思いながら、なにか質問をしなくちゃ、と躍起になりました。会社のHPをざっと見ただけの、非常にお粗末な事前知識しかなく、本当に情けない気分になってしまいました。こんな非常事態は想像していなかったので、何にも準備をしていない面接気分です。
今思い返すと、そんなことも知らずに来たのかというような、駄目な質問、つまりそんなのXXナビ見りゃ書いてあるだろう、というような質問ばかりで、印象は最悪だったと思います。
来月には海外の調査を控えていて、100%就活に集中できません。大企業はどんどんエントリィを締め切っていく中で、自分はどう動いたらいいんだろう、と悩みます。全体の流れと、自分の流れが噛み合わないときに、最小公倍数をいかに導き出すか、が勝負なのだと思います。お祭り的な就活ムードが苦手です。それに、攻撃的な言葉にも弱いです。本当に難しいなあ、としみじみ思います。
「あなたには自分ってものがないんですか。生きてる意味無いんじゃないですか。」とか、初対面のハゲオヤジに何で言われなくちゃいけないんだろう、遠い目になってしまうのです。遠い目になると、当然落ちますね。少し笑えます。
まだまぶたの奥に紗幕がかかっていた、子供時代の終わりごろ。
彼女に出会った。
私が抱えいる矛先の無い悲しみを見て、彼女は泣いた。私が一頻り泣いて、気が済んで、落ち着きを取り戻した後に、彼女が音も立てずに泣く。私はしゃべりすぎだったし、彼女はちっとも言葉を扱わなかった。それが募ると険悪になる。でもひと時も離れようとしなかった。ぴったりと肩を寄せ合って、同じリズムで呼吸をしていた。よく二人で黒猫の背中を撫ぜた。
だから、長くは続かない。
そうやって同じことを繰り返すうちに、予想を裏切らず、臨界点に達して。
二人は弾け飛ぶように、離れた。女の子同士の友人関係という枠組みでは捉えきれない何かがあった。後にも先にも、ほかの誰であっても、あの状態を再現することは出来ないだろう。あの時の、あの場所の自分はもう居ない。
引きちぎっておきながら、それでも彼女を命の限り見守ると誓った。単純に、余計なおせっかい。よっぽどのことが無い限り、彼女の世界にもう割り入ることは、必要ないしするまいと思っていた。彼女の人生自体のハッピーエンドに私は関われない。だとしても、それ以外の結末を許せないのだ。どうにか視界には入るぎりぎりのところに腰を落ち着けた。猫を抱えて座り込む。何かあれば、猛烈に走ってみせる、という気持ちで。
ふと、気づくと転々と続く黒猫の足跡。あたりに姿は無い。挨拶もせずに去った後なのだ。
限定条件の多い予感は当たる。
彼女がパノラマの向こうで倒れた。
本当に言葉通り、猛烈に走った。全身の皮膚がざわついて、血液が炭酸水のように騒がしくなった。
私は間に合った。だから、彼女は砕けなかった。
多少なら守ることは出来る。
でも、結局彼女が一生抱えることになる、重い傷から救い出すことは出来ない。どこまでも無力であることを、思い知らされている。
それは当然のことだ、と理解できる。だとしても自分が情けない。
黒猫はちっとも戻らない。
彼女に出会った。
私が抱えいる矛先の無い悲しみを見て、彼女は泣いた。私が一頻り泣いて、気が済んで、落ち着きを取り戻した後に、彼女が音も立てずに泣く。私はしゃべりすぎだったし、彼女はちっとも言葉を扱わなかった。それが募ると険悪になる。でもひと時も離れようとしなかった。ぴったりと肩を寄せ合って、同じリズムで呼吸をしていた。よく二人で黒猫の背中を撫ぜた。
だから、長くは続かない。
そうやって同じことを繰り返すうちに、予想を裏切らず、臨界点に達して。
二人は弾け飛ぶように、離れた。女の子同士の友人関係という枠組みでは捉えきれない何かがあった。後にも先にも、ほかの誰であっても、あの状態を再現することは出来ないだろう。あの時の、あの場所の自分はもう居ない。
引きちぎっておきながら、それでも彼女を命の限り見守ると誓った。単純に、余計なおせっかい。よっぽどのことが無い限り、彼女の世界にもう割り入ることは、必要ないしするまいと思っていた。彼女の人生自体のハッピーエンドに私は関われない。だとしても、それ以外の結末を許せないのだ。どうにか視界には入るぎりぎりのところに腰を落ち着けた。猫を抱えて座り込む。何かあれば、猛烈に走ってみせる、という気持ちで。
ふと、気づくと転々と続く黒猫の足跡。あたりに姿は無い。挨拶もせずに去った後なのだ。
限定条件の多い予感は当たる。
彼女がパノラマの向こうで倒れた。
本当に言葉通り、猛烈に走った。全身の皮膚がざわついて、血液が炭酸水のように騒がしくなった。
私は間に合った。だから、彼女は砕けなかった。
多少なら守ることは出来る。
でも、結局彼女が一生抱えることになる、重い傷から救い出すことは出来ない。どこまでも無力であることを、思い知らされている。
それは当然のことだ、と理解できる。だとしても自分が情けない。
黒猫はちっとも戻らない。
今日、大事な友人の物件探しに付き合った。一度も引越しをしたこと無い素人。かなり夢見がちな一人暮らし像を思い描いていると知り、苦笑。実家を出るのは正解だと思った。自力で暮らすのはそんなに甘くない。私は出戻りなので身に染みている。
すかさず、八百屋の位置をチェックする私を見て、友人は苦笑した。
八百屋の偉大さが判らないらしい。
偉大な八百屋に出会わなければ八百屋を必要だと認識できないのも無理は無いが。大手スーパだけで栄養を補うのは割高だし、鮮度が悪いこともある。同じ味で見た目が悪くて少し安いもの、のほうを選ぶほうが賢い。一人暮らしに見栄えはいらない。市場が身近に無いこの国では、専門に特化した小売業をうまく味方につけたほうが得策だと思う。という話をしたが、つまらなそうな顔をしていた。いつか思い知るのか、と思うと楽しい気持ちになった。勿論、偉大ではない八百屋の可能性もあるからまだわからないが。
彼女が一人暮らしをしたら、一つだけやらなければならないと思っていることがある。私の住む街に近い場所に住むことになるので、ちょくちょく訪れるだろう。彼女もそのつもりで、私の分の箸も買おうか、とか、週末は料理しにきてくれなどと言ってふざけあった。そうすると当然、いずれ彼女の彼氏に鉢合わせる。今まで会うチャンスが無かったのが不思議なのだが、これはもう絶好の場となってしまうだろう。
二人の関係を静観してきたが、本人が心底満足しているならば別に何も問題は無い。彼女はあまり常識に囚われたり直情的な行動で主張したりするタイプではない。でもたまに、深層では自分が悲しいと思っていることに気づかなかったりする人だ。なんというか、私としては話を聞く限り、彼の行動に納得いかないところがある。完全なおせっかいだ、とは知りながら。話を聞くたびに、常識的な友人として一言物申し上げたい気分がいつも残る。一言で全てを言い切ろう、それ以上は言うまい、と思っている。毎回、無駄にもてる男に惚れられると苦労が耐えないのだな、というのは理解できる。まあ、私自身の教訓として応用することはありえないが。
なんにせよ、大事だなと思う人は大事にしていく努力をしなければ、という次第である。
すかさず、八百屋の位置をチェックする私を見て、友人は苦笑した。
八百屋の偉大さが判らないらしい。
偉大な八百屋に出会わなければ八百屋を必要だと認識できないのも無理は無いが。大手スーパだけで栄養を補うのは割高だし、鮮度が悪いこともある。同じ味で見た目が悪くて少し安いもの、のほうを選ぶほうが賢い。一人暮らしに見栄えはいらない。市場が身近に無いこの国では、専門に特化した小売業をうまく味方につけたほうが得策だと思う。という話をしたが、つまらなそうな顔をしていた。いつか思い知るのか、と思うと楽しい気持ちになった。勿論、偉大ではない八百屋の可能性もあるからまだわからないが。
彼女が一人暮らしをしたら、一つだけやらなければならないと思っていることがある。私の住む街に近い場所に住むことになるので、ちょくちょく訪れるだろう。彼女もそのつもりで、私の分の箸も買おうか、とか、週末は料理しにきてくれなどと言ってふざけあった。そうすると当然、いずれ彼女の彼氏に鉢合わせる。今まで会うチャンスが無かったのが不思議なのだが、これはもう絶好の場となってしまうだろう。
二人の関係を静観してきたが、本人が心底満足しているならば別に何も問題は無い。彼女はあまり常識に囚われたり直情的な行動で主張したりするタイプではない。でもたまに、深層では自分が悲しいと思っていることに気づかなかったりする人だ。なんというか、私としては話を聞く限り、彼の行動に納得いかないところがある。完全なおせっかいだ、とは知りながら。話を聞くたびに、常識的な友人として一言物申し上げたい気分がいつも残る。一言で全てを言い切ろう、それ以上は言うまい、と思っている。毎回、無駄にもてる男に惚れられると苦労が耐えないのだな、というのは理解できる。まあ、私自身の教訓として応用することはありえないが。
なんにせよ、大事だなと思う人は大事にしていく努力をしなければ、という次第である。