双葉

2006年9月7日
長い夜を越えて、再び出会った。

彼女の目を見てこんなじっくり話をしたのは丸四年ぶりだった。
もう一度、こんな時間が来るなんて考えてもみなかった。

かつて同じ輪の中で、同じ螺旋を昇り、同じ養分を得ていたことを思い知らされた。
二つの葉に分かれて、別の方向を向いたきりで、このまま視線を掴み取ることなど出来ないと思っていた。

でも、同じ所に根ざしているから。分断されたわけではないのだ。

言葉にして、少し涙が出た。
彼女は泣かなかった。
私が泣きやめば、次は彼女の番だ。
でも、彼女の泣き場所はもう私の隣ではない。
彼女は泣かなかった。

幼い頃のように、少し笑った。
二人でこみ上げてくる笑いを堪えた。

長い長い夜で、恐ろしい夢を沢山見たけれど、それも必要だったのだと思うことにする。

とても遠い世界に居たのに、今の二人は同じような体験を別の場所で共有していた。そのことが可笑しくて。でも納得できて。
かつて、私の傍には貴方が居た。
語られることの無い言葉が沢山あった。

それを全てありのままに肯定する。
そして、もう一度太陽が昇る。

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渦

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